裁判所の養育費算定表よりも多い額で養育費の支払いに合意した事例
子供を連れて別居している依頼人(妻)は夫と離婚については合意していました。しかし、子供を有名私立に進学させたいために養育費算定表より多い額の養育費を主張する妻と、裁定表通りの額を主張する夫の間で話し合いがまとまらず、妻が弁護士に解決を依頼しました。
相談内容と背景
50代の妻は離婚を前提に夫と別居していました。別居中は子供もいたことから生活費の支払いはあり、夫も離婚については同意していました。養育費の支払いと離婚後の親権は妻が持つことに対しても夫は同意していました。しかし、養育費の額だけがまとまりません。夫婦同士で数度の話し合いを持っても合意にいたることはできませんでした。
妻は子供を有名私立大学に進学させたいと考えています。夫も進学自体には賛成ですが、有名私立は学費の面から見ても進学先として適切ではないと考えています。子供は母親の提案した進学先に同意しており、第二志望としても私立大学を検討している状況です。以上の状況で、離婚後に負担する私立大学の学費を考え、妻側は裁判所が公開している養育費算定表よりも多い額を希望しています。対して夫は養育費算定表の額を支払うことを希望しています。
このままでは養育費が決まらないばかりに何時まで経っても離婚できずに困っていると妻側から依頼を受け、解決に乗り出しました。
弁護士による解決方法
夫側との話し合いでは、「養育費の額が決まらなければ何時までも離婚できない」という妻側の意見を伝えるとともに、「私立大学の学費を試算」して提示し、夫側に理解を求めました。私立大学の学費をまかなうためには養育費算定表通りの養育費額では、金銭的な面で子供の進学が危ぶまれることも伝えました。また、このまま養育費の額が決まらなければ、「最終的に裁判所での調停になる」ことも伝えました。
弁護士が同席して話し合いをした結果、夫側は学費の必要性に理解を示し、妻側が提示した養育費額に同意しました。弁護士が介入したことで、話し合いの段階で解決できた事例です。