父親が親権を獲得した事例
依頼者である夫は妻との離婚において親権だけは絶対に獲得したいと希望していました。普段から夫の方が子供の世話をすることが多く、離婚後も子供と一緒に暮らしたいと考え弁護士に相談しました。最終的に子供の希望により父親が親権を獲得するに至った事例です。
相談内容と背景
夫は妻から性格の不一致を理由に離婚を切り出されました。離婚自体には応じるつもりですが、懸念は子供の親権です。子供の面倒は昔から夫がみており、子供が高校生になった今でも、休日には子供を連れてよく買い物に行っています。妻も仕事をしており、非常に多忙です。忙しい妻よりも父親である自分の方が子供に時間を割いているという意識があります。
離婚にはお互い同意しています。しかし、親権は双方が欲しいと主張しており、夫婦の話し合いでは離婚話がまとまりません。離婚に際してはお金の問題より子供の親権を重視します。子供の親権がとれないなら離婚したくないと考えています。また、子供の親権獲得に必要なら、裁判での決着も辞さない構えです。
どうしても「親権だけは欲しい」という夫からの離婚相談です。
弁護士による解決方法
親権は夫より妻に有利だといわれています。なぜなら、妻の方が母親として子供と接する時間が多いからです。日本では、子育ては母親を中心に行われているからという理由もあります。フルタイムで働いている父親は、一般的に子供と接する時間が少ないです。親権獲得は母親よりも不利であるといわれています。しかし今回の事例では、子供の意見が尊重され、父親が親権を獲得しました。
親権の獲得は父親の方が不利といわれますが、全ての事例において不利というわけではありません。それまでの子供との関わり合いや育児への参加状況も考慮されます。また、十五歳以上の子供であれば意見をきき、その意見も尊重されることになります。
今回の事例では弁護士が「子供が父親と暮らしたいと希望していること」と「父親の子育てへの関わりが多かったこと」「今後も父親は子育てをできる環境にあること」を強調して主張した結果、夫の希望した親権獲得が果たされました。