離婚調停の弁護士関与率
―そもそも離婚のために弁護士を依頼するべきなのか―
このページでは、離婚のために弁護士を依頼する際に、どのタイミングで弁護士を依頼すべきかについて解説をしていきたいと思います。ここでお示しするものは、あくまでひとつの考え方にすぎません。個々のケースによりどのタイミングで弁護士を介するべきかどうかは変わってきますので、参考程度にご覧いただければと思います。
まず、弁護士を依頼するタイミングについてご説明をする前に、その前提として、そもそも離婚のために弁護士を依頼すべきなのかという点について説明を加えたいと思います。ここで説明させていただくことは、あくまで統計的なお話になります。
統計上、離婚のために訴訟よりも早い段階から弁護士を依頼するケースが年々増加の傾向をたどっているといえます。以下で説明するデータに関する統計は、2016年版の弁護士白書で示されているデータをもとにしています。
実際のグラフ等のデータについては、下記リンクからご覧いただけます。
離婚を裁判で争う場合には、その前提として調停(夫婦関係調整調停)を受けなければならないのですが、その調停全体に占める代理人として弁護士が関与した事件の件数の割合は、2015年現在で全体の43.9パーセントを占めます(全事件数46,922件のうち20,580件)。この割合は2006年ごろから毎年増加しており、割合としては直近の10年間で弁護士が関与するケースがほぼ倍増しているといえます。また、調停でも結論が出なかった場合の裁判においては、ほぼ100パーセントの割合で弁護士が代理人として対処しています(もっとも、統計の数字は夫婦関係に限らずすべての人事訴訟を対象とした数字となっています)。
以上から、裁判にまで至るケースでは弁護士に依頼することがほとんどであることは従来から変わらないのですが、裁判より前の段階である、調停(夫婦間調整調停)やそれ以前の段階から弁護士へ依頼するケースが増加していることがわかります。昔に比べて、離婚件数自体が増加の傾向をたどっていることにかんがみても、早期に弁護士へ依頼を行う流れは今後も拡大していくことが予想されています。